日本政治史の研究プロジェクト

 きょうは中央大学社会科学研究所の「連続と非連続の日本政治」研究チームの研究会に出席した。報告者はわたしの大学院時代の後輩である韓国人研究者のチェさん。この報告のためにわざわざテグから来てくれた。
 この日の報告タイトルは「大陸浪人の間島問題への介入過程」。チェさんはこれまで近代日本の領土政策を研究してこられ、その視点で中国・朝鮮国境の間島地域のことも扱ってこられたのだが、今回の報告では少し政治運動史に近いアプローチで、朝鮮半島で活動した大陸浪人一進会の活動ぶりについても紹介された。これまで一進会は基本的に親日的・売国的団体であると評価されてきたようである。チェ報告においても、一進会の活動が結果的に売国的行為になってしまったと評価されているが「当時一進会は誰よりも古土回復次元で間島回復のために努力した。多くの一進会員は咸鏡道に居住地を置いていて間島に対する特別な愛着を持っていたのだ」と、その積極的側面にも目配りがなされていた。わたしにとっては、この点がたいへん興味深かった。

【関連文献】
西尾陽太郎『李容九小伝―裏切られた日韓合邦運動』葦書房(ASIN:4751200364)

【関連サイト】
李容九の生涯 日韓併合悲史
http://seisantou-k.hp.infoseek.co.jp/

随時、ここに加えていきたいと思います。