研究会

 東亜大學校の「在釜山日本人研究プロジェクト」の研究会に参加させていただいた。メインは日本からお招きしたK先生のご報告。植民地研究を30年着実に積み重ねておられる方で、質問にも明晰にお答えになっておられ、ちょっと感動。
 研究会のあとはプロジェクトメンバーと一緒に食事会に行き、各メンバーの方と交流した。その後はホン先生とその門下生のみなさんとビールを飲みに行き、最後はKさんと、これまたビールを飲みながら、今後の共同研究のプランなど熱く語り合った。
 きょうはヒロシマの記念日。ヒロシマは原爆投下の数ヶ月前まで父が学徒動員で働いていた街。父は志願して海軍兵学校に入学し、山口県防府で訓練を受けているときにヒロシマに原爆が投下された。
 (多少なりとも)死を覚悟していた父は生き残り、6ケタの数の民間人が殺された。もちろん、なかにはまだまだこれからの人生に多くの希望を持っていた人もいただろう。父は生き残り、母と結婚し、わたしと弟が生まれた。死んでいった多くの人も生きていればその後の人生があった。
 いくら本人が国家のために命を捧げる覚悟をしていたとしても、それは人生のほんの一時期の決断である。死ななければ、その後の人生にどんな可能性があるかはわからない。若い命が絶ちきられることを、国家のための犠牲として美化してはならないと思う。さいきんだれかさんが国際貢献のために血と汗を流すことも必要だと言ったとか。血を流すことと、汗を流すことは似ているようでまったく違う。言葉は大切にしてもらいたいものだ。